リクルート健康保険組合

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第3回 「気になる! 更年期のこと」

H26年9月3日(水)開催

リクルート健康保険組合では、本年度も女性向けの健康講座を開催しています。
H26年9月3日に第3回目がサウス24階会議室にて行われましたので、その内容をお伝えします。

今回も、講師を務めてくださるのは、当健康保険組合の婦人科相談医であり、北里大学東洋医学総合研究所の漢方医として活躍されている森裕紀子先生です。
「やがてくる更年期について、漠然とした不安がある人は多いでしょう。一般的なことを知っておき、安心して更年期に備えましょう」
という趣旨のもと、第3回は「気になる! 更年期のこと」というテーマで開催されました。
更年期とは、閉経前の約5年と、閉経後の約5年を合わせた約10年間のこと。閉経の平均年齢である50歳を基準にすると、45~55歳の時期が更年期にあたります。日本では時代とともに初潮年齢が早まっていますが、閉経年齢はほとんど変わらないといいます。更年期を境に、さまざまな疾患のリスクが増えてくるため、「平均寿命が延びた現在、更年期の間や閉経後の人生を、できるだけ心身の調子を整えて過ごすことが大切です。更年期を、自分の体を見つめ直すよい機会にしましょう」と森先生。そこで、以下の内容を中心にお話しくださいました。

更年期障害は、閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の減少に、ストレスや環境、体力の低下などの因子が絡んで起こります。心身にさまざまな症状が現れますが、典型的なのぼせ、ほてりなどのホットフラッシュと呼ばれる症状は、ホルモン補充療法(HRT)で改善することが多いそうです。

ホルモン補充療法(HRT)には、経口剤や貼付剤、ジェル剤、経腟剤といったいろいろな剤形のエストロゲン製剤が使われます。子宮がんなどにより子宮を摘出している人以外は、これに子宮体がん予防を目的として黄体ホルモン製剤を併用するのが一般的です。使用方法にも、休薬日のある「周期的投与法」と休薬日のない「持続的投与法」の2つがあり、「それぞれメリット、デメリットがあり、一人ひとりの状態に合わせて選ぶことが重要です」と森先生は言います。ホルモン補充療法(HRT)以外には漢方薬もよく使いますとのこと。顆粒状の漢方薬は「お湯に溶かして飲むと効きやすいです」と、効果的な飲み方も教えていただきました。しかし、更年期障害は必ずしも治療の必要があるわけではなく、「症状に困っていたら我慢せずに治療したほうがよいけれど、困るほどの症状がなければ、治療の必要はありません。すごくつらかった人もいれば、更年期と気づかず終わる人もいます」と森先生。

閉経後は、エストロゲンの減少により、脂質異常症や動脈硬化などの生活習慣病、骨粗しょう症などになりやすくなります。予防のためには、更年期前からバランスのよい食事を心がけ、少なくとも1日1万歩など適度な運動を続けることが重要です。また、更年期にかかわらず、年1回は必ず婦人科検診を受けること。子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがあり、一般的には婦人科検診とは子宮頸がんの検査になります。閉経前後から子宮体がんが増加しますので、閉経後に出血があった場合は子宮体がんが疑われます。自己判断で放置せず、婦人科外来を受診してください、とのことでした。

今回の参加者には、「現在、更年期です」という方も「これから更年期を迎えるにあたって不安です」という方もいらっしゃいました。「知らなかったことをたくさん聞けて勉強になった」「治療法を詳しく知ることができ、わかりやすくてよかった」などの感想をいただきました。

なお、森先生の今回までの全3回の講座は、好評につき、H26年11月から再び同内容で開催します。興味をもたれた方はぜひ、第5回~第7回の講座のご参加をご検討ください

※講座で使用した資料をご希望の方はリクルート健康保険組合「保険証」をお手元にご用意の上、☎ 03-6705-3383までご連絡ください。


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