リクルート健康保険組合

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第4回 「20代で知っておきたい! 女性のからだの基礎知識」

H27年8月、9月開催

リクルート健康保険組合では、去る8、9月にサウス24階会議室にて女性向けの健康講座を開催しましたので、内容の一部をお伝えします。
講師を務めてくださったのは、産婦人科医であり、北里大学東洋医学総合研究所の漢方医としても活躍されている森裕紀子先生です。

リクルートグループの女性の皆さんは、日々世の中に貢献したいという思いで、仕事を最優先にしてがんばっていらっしゃる方が多いように思います。しかし、その分ご自身の体のことを知らなかったり、婦人科系の健康不安を感じつつもそのままにしてしまっている方もいらっしゃるようです。
リクルート健康保険組合としては、みなさんにご自身の体のことをもっと大切にしていただくために、女性の体のことをよく知っていただきたいと感じています。

そこで今回、女性の健康のスペシャリストでいらっしゃる森先生に、次のような内容を中心にお話しいただきました。

女性の健康にとって婦人科受診は欠かせませんが、抵抗があるという人は多いもの。今回の受講前のアンケートでは、婦人科を受診したことのある人は約7割という結果でした。そこで、未受診の方のためにも、森先生が写真を紹介しながら婦人科の診察台や診察時の注意点を解説してくださいました。

がん検診については、受講前アンケートでは約7割の方が受診していましたが、日本人女性全体では、3割程度しか受けていないのが実情だそうです。
特に子宮頸がんの検査は、性交経験がある人は年齢に関係なく必ず受けたほうがよい検査です。自治体の検診は2年に1回ですが、「前回小さくて見落とされていた変化が翌年にははっきりして見つかることもあるので、年1回の受診をお勧めします」と森先生。
乳がん検診は、超音波検査ならば被ばくのおそれがないので、毎年受けてもよいとのこと。マンモグラフィは被ばくが0ではないので、一般的に20代の検診項目には含まれませんが、乳がんにかかりやすくなる40代を超えたら超音波検査とともに毎年受けたほうがよいそうです。

基礎体温については、就寝・起床時間がバラバラの人であっても、5時間以上の睡眠時間があれば測ることができます。トイレに行くなど体を動かすと体温が上がってしまうので、目が覚めてすぐ測るのがポイントです。寝不足や体調に左右されやすいため避妊目的では使用できませんが、排卵日や生理日の予測、妊娠の可能性を含め、自分の体の変化をおおまかに把握できます。婦人科受診時には、市販の基礎体温表に書いて持参すれば医師の判断材料となります。
また、生理が予定どおり来ないとき、受診せず放っておいてしまう人もいますが、「妊娠していて万が一、子宮外妊娠だったときに対応できなくなるおそれがあります。生理予定日の1週間後くらいで妊娠検査薬を使い、受診しましょう」とのこと。

生理に関して、量の多さは貧血になっていなければ気にしなくてOK。ただし、なんとなく感じている体調不良の原因が貧血ということがあるので、定期健康診断などでヘモグロビン(Hb・血色素)の数値が10g/dl以下だったら受診して鉄剤を処方してもらい、10g/dlより少し多い程度の人は食事やサプリメントで鉄分を補給すると改善が期待できます。
生理中に起こる強い下腹部痛や腰痛など、不快な症状を「月経困難症」といいます。鎮痛剤を飲むときは、痛いのをがまんせず早めに飲んだほうが効くとのこと。月経困難症はピルで改善する可能性がありますが、喫煙者は血栓症が起こりやすくなるので、ピルの服用にあたっては禁煙が必須となります。

なお、月経困難症は、子宮筋腫や子宮内膜症が原因で起こっている場合があります。どちらも症状があれば治療し、症状がなければ多くは経過観察となりますが、妊娠希望の有無によって対応が変わってきます。婦人科を受診し、相談しましょう。

また、生理に関する体調不良や冷え、月経痛の痛みには、漢方薬も有効とのことで、婦人科三大処方といわれる「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」「加味逍遥散(カミショウヨウサン)」の違いについての説明がありました。「すぐに外来受診できない人は、自分の体調や症状に合った漢方薬を選んで使ってみて、よくならなければ受診するのもよいでしょう」とアドバイスいただきました。

最後に、緊急避妊ピルについての説明や、受講前アンケートやその場で出た質問への先生からのご回答もあり、盛りだくさんの1時間でした。

参加者の方からは「正しい信頼できる知識を身につけることができた」「基礎から学ぶことができ、受診の大切さが理解できた」「自分の体を大切にしようと思った」などの感想をいただき、大変好評でした。
今回参加されなかった方も、次回開催時にはぜひ、参加をご検討ください。


※講座で使用した資料をご希望の方はリクルート健康保険組合「保険証」をお手元にご用意の上、☎ 03-6705-3381までご連絡ください。


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